there is the hole 

2021-2022

​映像、写真、立体

 土に帰るという言葉があるように、人が死ぬと地面に穴を掘り埋葬する土葬がある。土葬以外の埋葬方法はあるがいずれにせよ、この体は地球の重力によっていつかは地表の下に埋まるのだ。言い換えれば地表より下にある体は、この世に存在しなくなった体ということになる。何かをほんとうに無いことにするには地面を掘り、隠すしかない。

 実際に穴を掘り、身体の動きから生まれる思考の動きに注目した。地面を突き刺し、砂を掻き出す繰り返しの動き、疲労していく体と何も考えれなくなっていく頭。体がすっぽりと隠れた時、見上げると青い空しか見えなくなっていた。空は宇宙にも見えて、まるで1人、宇宙に投げ出されたかのようだ。もしかしたら、隠したいのは自分なのかもしれない。穴を通して、わたしのさまざまな記憶が体と頭に巡る…この穴は「あの穴」かもしれない。そして、また、誰かが地面を掘り返す。